けつアゴは治せる?アゴが発達してしまう原因と適切な対処法
目につきやすいアゴ周りの特徴は、気になりはじめてしまうとコンプレックスになりやすいものです。
特に、いわゆる「けつアゴ」の人は人目が気になってしまい、どうにかできないものかと考えてしまうのではないでしょうか。
今回は、けつアゴをどうにかして治したいと考えている方へ向けて原因や対処法を解説していきます。

記事監修者
新宿美容外科クリニック 形成外科医
井上 淳
日本形成外科学会の形成外科専門医としてあらゆる形成美容外科領域での基礎をもとに、25年にわたって多くの美容外科、整形の症例を経験。外科医としての豊富な知識や技術力からスタッフの信頼も厚く、また落ち着きのある性格や優しい対応も人気のドクター。スタッフや患者さまからは、脂肪吸引の匠と呼ばれて、親しまれている。
気軽に受けていただける処置から、高度で複雑な手術まで、患者様に満足していただける最も適した「理想のボディライン、理想のフェイスライン」の追求をしている。カウンセリングは、優しい、初めてでもいろいろと丁寧に教えてくれる、と定評があり、患者様一人ひとりの様々な悩みに正面から向き合っている。
改めて確認しておきたい「けつアゴ」とは?
一般的にけつアゴと呼ばれているアゴの形ですが、正式名称では「割れ顎」と呼ばれています。
アゴの真ん中にあたる部分に線が入るようにお尻のような凹みがあることから「けつアゴ」という俗称が生まれました。
縦にふたつに割れているように見えるために、特に目立ちやすい特徴として気になってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、一言でケツあごと言っても程度は人によって大きく違います。
「よく見れば割れているようにも見える」という程度であれば、本人が気にしているほどには周りにはばれていないということも十分あるでしょう。
また、けつアゴと聞いて「男性のアゴ」をイメージしてしまう人もいるかもしれませんが、実際は、けつアゴになる人の性別が限られることはなく、女性でけつアゴの人もいます。
さらに言えば、程度によっては目立ちにくいものであることから、美男美女と言われている人、人気の女優や俳優の中にもけつアゴに分類できる人は存在するのです。
つまり「アゴにくぼみがある」という程度であれば、見た目の雰囲気にも影響は強くありませんし、必ずしも悪い印象になるわけではないのです。
しかしけつアゴという名前からから、あまりいいイメージがない人は少なくありません。
どうしても気になってしまうのであれば、原因と対処法を知っておきましょう。
けつアゴになる原因は?
けつアゴになってしまう原因として、まず先天的なものが考えられます。
つまり、遺伝などの影響によって生まれつきけつアゴになってしまう可能性が考えられるのです。
日本人は比較的けつアゴの遺伝子が多くありませんが、海外の血が入っているとけつアゴになりやすいとも言われています。
ハーフやクォーターの人、そのほかにも身内にけつアゴの人がいる人などは、けつアゴになりやすい傾向にあると言えるでしょう。
幼い頃にはけつアゴの傾向がなかった場合でも、下顎骨の発達段階においてしっかり発達しなかった場合に、アゴの一部が凹んでしまうケースもあります。
それが結果的に、けつアゴになるのです。
後天的な原因としては、そのほかに筋肉の発達の影響も考えられます。
アゴ周りには、左右にひとつずつ「おとがい筋」と呼ばれる筋肉があります。
この筋肉を鍛えすぎ、発達しすぎてしまうと、真ん中だけが凹み、けつアゴになってしまうのです。
つまり、現時点でけつアゴでない人でも、おとがい筋を鍛えすぎてけつアゴになってしまう可能性は十分あります。
「ならば、おとがい筋はないほうがいい!」と考えてしまうかもしれませんが、そういうわけでもありません。
というのも、すべての筋肉がそうであるように、おとがい筋にもまわりの組織を支える大切な役割があります。
おとがい筋が著しく衰えている場合、たるみの原因になったり、けつアゴではないかわりに二重アゴになってしまったりといったデメリットにつながってしまうでしょう。
けつアゴを治したいからと言って、筋肉をなくそうとするのは正しい治療とは言えません。
けつアゴは日常生活の中で治すことができる?
おとがい筋が発達するきっかけに、毎日の生活における「咀嚼」が関係していると言われています。
「よく噛んで食べるべき」と言われることは多いと思いますが、かたいものをたくさん噛んでいるとその分おとがい筋が発達してしまいます。
だからと言って「あまり噛まないようにする」という対策は、あまり効果的とは言えません。
筋肉が固くなっていることに気が付いたらこまめにマッサージをするなど、筋肉をつかわないのではなくきちんとケアを行うことのほうが大切と言えるでしょう。
また、前述のように遺伝や骨格によってけつアゴになってしまっている場合には、たとえ噛む回数を減らしたり、かたいものを噛まないようにしたり、マッサージをしたりしても改善はしにくいものです。
さらに「どうしてもけつアゴが気になる……」と、アゴをむやみに触ったり、押さえたり、引っ張ったりする癖がある人は要注意です。
むやみに骨に刺激を与えることで、かえってけつアゴが発達するきっかけにもなりかねないため、自己判断で触ることは避けた方がよいでしょう。
けつアゴの対策方法とは?
けつアゴを効果的に改善へ導きたいのならば、クリニックへ相談することをおすすめします。
クリニックでは、気になる部分にヒアルロン酸を注射したり、アゴの骨を削ったりすることによってけつアゴを目立ちにくい状態へ導くことができます。
特にヒアルロン酸注射は、施術時間が短く比較的安価で簡単にできる施術として知られています。
一方で、施術より数ヵ月程経過すると効果がわかりづらくなってしまうことから、くりかえし注射する必要があります。
しかし骨を削る治療の場合は、一度手術をすればそのあと何度もやりなおす必要がありません。
その分費用はかかりやすく、大掛かりな手術が必要になり、麻酔が切れたあとに痛みを感じるケースも少なくありません。
そのほかにもシリコンを入れる治療など、さまざまな方法がありますがいずれもメリットとデメリットが存在します。
どのような治療をするかは、状況や金銭面の都合も加味したうえで、医師に相談して決めるようにしましょう。
まとめ
けつアゴは鏡を見るたびつい気になってしまうかもしれませんが、むやみに触るとかえって発達を促し、余計に目立たせてしまうことになりかねません。
骨が発達しているパターン、筋肉が発達しているパターンなど原因も人それぞれなので、自分の状態を客観的に見ながら最適な治療や対策をしていくべきでしょう。
個人の判断で行うのではなく、必ず医師に相談することが解決への近道になります。